債権譲渡とは売り掛け金や小切手などの債権をAからBに譲渡することで、売り掛け金や小切手などの債権は現金に変わったりせずそのままの形で譲渡されます。AとBの間に譲渡の意思があれば自由に譲渡できますが、賃借権などは法律で譲渡が禁止されており、全てが譲渡していいというわけではありません。近年の資金調達方法のひとつとして人気のファクタリングも債権譲渡のうちのひとつではありますが、譲渡の際に現金化されるため厳密には違う種類の資金調達方法として区別されています。金融機関がとある企業、つまり債務者に融資したものの返済が滞る時、債権回収という形で不動産や売り掛け金といった債権譲渡が行われることはよくあることです。

債権回収を目的とした債権譲渡はAとBの間だけで行うよりも、互いに士業に代行したほうが迅速に譲渡でき、当事者交渉に比べて互いの精神的負担を低減できるなど多くのメリットがあります。目立った財産を持っていない債務者からも債権を回収しやすくなる、法的見地から冷静な交渉も可能、もとより債務者の信用調査を行うなど労力と経費が不要など、金融機関にとっても常套な手段です。債務者にとっても不良債権を整理できるため資金繰りが良くなるので、最初に債権譲渡契約を締結しておくといざ譲渡する時にスムーズにいきます。債権の譲渡は口約束でもできることとなっていますが、士業を通してきちんと文書にして契約しておくことが望ましいです。